なるべく歯を抜かないために
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重度の歯周病・虫歯でも歯を抜かずに済むように
主に抜歯の原因は「虫歯・歯周病・歯根破折」の3つに大別できると考えております。当院では重度虫歯と歯周病の治療をはじめ、歯根破折などの処置にこだわることで歯を抜くということを最小限に留めるようこころがけております。
抜歯リスクの高い歯の外傷・歯根破折の治療もお任せください
当院では一般的には抜歯と判断されるような歯根破折の症状であっても、適切な処置を選定し、できる限り保存するよう努めております。実際、他院で抜歯と診断された症例であっても、抜歯を回避できたケースもございます。患者さま一人ひとりの症状を見極め、適切な治療計画をご提案いたします。
歯周病による抜歯を避けるために
① 歯周組織再生療法
歯周病が原因で骨がなくなってしまった場合、歯を支えられる歯がグラグラ状態になってしまいます。そんな抜歯待ったなしの状態でも歯周組織再生療法にて骨を再生させることで抜歯を回避できる場合があります。
② 歯周外科治療
歯周病が進行して歯周ポケットが深くなると、器具が届かなかったり、内部の状態を視認することができず、適切な処置が困難となります。そのような場合には、歯茎を切開して歯根部分を露出した状態で歯石の除去と感染歯肉を切除する歯周外科治療を実施し、症状の改善を図ります。
エムドゲインを用いた歯周組織再生療法の症例をご紹介
▼うけがわ歯科川口駅前医院で実際に行ったエムドゲインを用いた歯周組織再生療法の症例をご紹介します。
エムドゲインとは?
エムドゲインとは、歯周病や歯根破折などが原因で失ってしまった歯周組織(歯茎・骨・歯根膜など)を、再生することができる歯科材料です。
エムドゲインは、歯の発生時に分泌され歯周組織の基となるエナメルマトリックスたんぱく質が主成分となっています。
歯周組織を失った部分へエムドゲインを塗布し、歯の発生時の状態を再現することによって、歯周組織の再生を促します。
歯周組織再生療法の実施
左下奥歯がズキズキする。何にもしなくても痛い。との主訴で来院されて患者様です。
左下6番と7番の間の歯槽骨が吸収しています。一見左下7番の近心根(前側の根)が破折しているのかと思ってしまうレントゲン像です。
実際は左下6番の遠心根(後側の根)が破折していました。そのせいで、炎症が起こり左下7番の近心根(前側の根)の骨を吸収していました。
患者様と相談し、今回はインプラントではなく、自分の歯を出来るだけ保存したいという希望から、エムドゲインを用いた歯周組織再生療法をご提案いたしました。 破折した根は使用できないので抜歯し、左下6番の近心根(前側の根)のみ残し、ブリッジで対応しました。
根が大きく開いている場合は、保存が難しい歯のみ抜歯し、残せる根を使用してブリッジにする方法が可能です。今回は、既にどちらの歯もかぶせ物が入っていたのでブリッジにて対応しましたが、かぶせ物が入っていないきれいな歯の場合は、やはりインプラントがいいと思います。
年齢・性別 | 45歳 男性 |
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治療期間 | 6ヵ月 |
治療回数 | 10回 |
治療費用 | エムドゲイン 110,000円(税込) 人工骨(FDBA)55,000円(税込) |
注意点 | ・外科処置が必要。 ・思ったように骨が出来ない場合がある。 |
虫歯による抜歯を避けるために
① 神経を抜かないMTA治療
MTAとは、抗菌効果の高い歯科用セメントです。比較的新しい素材で最近発明されました。歯髄(神経)に達した虫歯もしくは、歯髄ギリギリまで進行した虫歯の場合、虫歯を除去した時に神経が露出する場合があります。神経が少しでも露出すると神経に感染が起こるので神経を取らざるを得なくなります。神経を失った歯の寿命は短くなり、将来の抜歯リスクが高まりますが、MTAにより露出歯髄の保護ができる場合があり、神経を抜くことを避けることができる場合があります。
② 歯根端切除術
歯根端切除術はその名の通り、歯根の端を切除する治療方法となりますが、歯根部分に病巣が見つかり根管治療後で根管内からの治療が難しい場合に行います。根管治療前であれば根管から治療が可能となりますが、すでに根管治療が終わっている場合には根管内はしっかりと固められている状態となります。そのため歯根の端への治療は外側から行わざるを得ません。通常抜歯を勧められることとなりますが、当院ではこのような状態の患者様へは、歯根端切除術で病巣のみを取り除く治療を行っています。
③ 分割抜歯
分割抜歯とは、その名の通り、歯の一部のみを抜歯する方法です。歯の根っこは1本ではなく、複数あります。根っこの病気により改善不可能な侵襲や汚染がある根っこをもつ歯の場合、通常はその歯を丸ごと1本抜歯しインプラントやブリッジにします。しかし、当院では適応条件が揃えば、汚染のある根っこのみを切り取り抜歯して、残りの根っこを残すことで、それを土台として歯を残す分割抜歯という方法を提案しています。
④ エクストルージョンの活用
虫歯の進行により歯の残っている部分が少なく、被せ物の土台を形成するのが難しい場合には抜歯をしてインプラントやブリッジなどを行うことが多くあります。歯が折れてしまって同様の状態になることも考えられます。ですが、このような状態の歯へはエクストルージョンという方法で抜歯を回避することも可能です。この治療法では歯の根を上に引き上げることにより被せ物の土台を形成できる状態としていきます。当院ではこのエクストルージョンを行い、残っている歯が小さな状態であっても、可能な限り抜歯を回避できるようにしています。
川口の歯科医院で低侵襲治療をご希望の方は当院まで
うけがわ歯科川口駅前医院では低侵襲治療を行っており、できるだけ削らない・抜かない・痛みが少ない治療を診療方針としています。完全に抜歯を回避できるというわけではありませんが、様々な治療法により抜歯のリスクを軽減することに成功しています。川口にて低侵襲治療を行っている歯科医院をご希望の際には、うけがわ歯科川口駅前医院までお気軽にご相談頂ければと思います。